本井康博先生 盛岡でNHKドラマ「八重の桜」をかたる
4月19日(土)午後3時より、日本基督教団・奥羽キリスト教センター「善隣館チャペルホール」に於いて、「八重の桜・襄の梅」―新島襄の同志たち―と題して同志社大学神学部元教授・本井康博先生の講演会が開催されました。
この講演会は、NHK大河ドラマ「八重の桜」の時代考証役を 終えられたばかりで、ご多忙を極めておられる本井先生のご厚意で実現いたしました。
当日の聴衆は約76名(スタッフ別)。開催が決定してからの期間が短く、十分に宣伝出来なかったことを考慮すれば期待を上回る人数でした。しかも、その半数以上は、校友でもキリスト教関係者でもない一般の方々で、NHK大河ドラマの力を改めて実感させられました。
講演がはじまると、よどみない弁舌に吸い込まれ、時々笑いに包まれながら、あっという間に90分余りが過ぎていました。嘘を本当らしく見せなければならないドラマづくりの中での悩ましい時代考証、3・11の大震災の後急きょ決まった大河ドラマの舞台、福島県・会津、そして多々ある候補者の中でも八重が選ばれたのは「復興のエールを運ぶメッセンジャー」として最適と思われたからではないか、等々具体的に数々の事例、人物に言及しながら話は進みました。
講演の後半には新島襄や山本覚馬が登場。同志社のネーミングは山本覚馬によること、新島が好きだったのは「敢えて風雪を侵して開く」梅であったこと、八重晩年の言葉、「襄のライフは私のライフ」、等が紹介されました。
講演の最後に、同志社ゆかりの岩手県人を取り上げてくれました。同志社の教員になった熊本バンドの一人、山崎為徳。新島襄の出棺式で聖書購読をした片桐清治とその息子、哲(元同志社女子大学長)。同志社に学び、後に韓国に女子校を開いた渕澤能恵。新島の同志社への誘いを断ったが、後に同志社の理事を務めた新渡戸稲造。そのいずれもクリスチャンで、教育・伝道・国際協力に関わり、女子教育にも力を注いでいる、と。
講演に引き続き、参加者の質問に丁寧に答えていただき、気がつけば予定時間を優に過ぎておりました。 席を立つざわつきの中から、「同志社ってすてきね。」「でも、入るのは難しいのよね。」という会話が、聴くともなく耳にはいってきました。講演終了後、「『八重の桜』にハマッテおりましたので、参加できて感激でした。」など、たくさんの方から感謝のコメントをいただきました。
本井先生は、講演の翌日には、市内の小さな教会でイースター礼拝・説教をご奉仕下さいました。出席者によりますと有り難く、強く印象に残るお話だったとのことです。
本井先生は何度か盛岡にいらして下さっているのですが、今回は奥様を伴ってのご来盛でした。先生から「濃密で楽しいひと時でした」という感謝のお言葉を頂き恐縮に存じております。この紙面をお借りして、はるばる盛岡までおいで下さった本井康博先生に改めて御礼申しあげます。
最後に、この講演会が校友会の財政的支援を受け実施されたことを報告いたします。ありがとうございました。
(文責:岩手支部事務局・野場)